知財と教訓

知財の教訓企業で知財業務34年の経験者が伝えたい知財戦略(知略)のヒント

  • 2014年10月6日

    事件の裏に潜む真相とは! 木を見て森を見ずの教え:第45号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第45号 ━━   (前号からの続き)   打開策を求めた私の提案は、次のようなものであった。   「契約解約後でも開発を続けておられると伺い驚いた。従って、当社の発売日程に遅延が生じないように完成させて戴けたら追加費用をお支払する。   なお、現在B社にも開発委託しているので、どちら……
  • 2014年9月29日

    事件の裏に潜む真相とは! 木を見て森を見ずの教え:第44号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第44号 ━━   (前号の続き)   その技術者が言うには、   ・特許出願したアイデアは、高解像度画像解析エンジンとして 今秋発売の最新モデルに搭載する予定である。   ・現在試作中で、まだ完成には至っていない。   ・試作を依頼している会社は、特許を出願した会社A……
  • 2014年9月22日

    事件の裏に潜む真相とは! 木を見て森を見ずの教え:第43号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第43号 ━━   このメルマガの読者様から、ここ10年の知的財産法の改正の多さと大胆な変更には苦労している、とのご感想を頂戴した。   異議申立制度の復活を含め、確かに色々と手が加えられているようだ。   新たな判例が出ると、それに追随して法改正が行われるのは世の常。   しかし、大……
  • 2014年9月15日

    技術戦略と知財戦略の関係について 他人と同じではダメ!:第42号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第42号 ━━   企業というものは、それがどのような企業であれ 必ず『成長期→安定期→衰退期』という軌跡をたどる、と云われている。   確かに、その通りかも知れない。   ただ、私は、この軌跡をたどるのは、『企業』ではなく『事業』だと考えている。   どんな事業でも、成長期から安定期……
  • 2014年9月8日

    記憶に残る特許の契約交渉 「バットは振らなきゃ当たらない」の教え:第41号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第41号 ━━   A社との特許バトルは続いた。 その間、何度太平洋を往復したことだろう。   互いに50件ずつの特許評価が終了した時、開始から既に1年以上が経過していた。   終了したと言っても、決着がついた訳ではない。これから、互いの評価結果を公表して、両者のズレを修正するための調整会議が始ま……
  • 2014年9月1日

    記憶に残る特許の契約交渉 「バットは振らなきゃ当たらない」の教え:第40号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第40号 ━━   いよいよA社との特許論争が始まった。   作戦通り、毎回々々、相手の特許を3件、こちらの特許を3件ずつ評価し合う手順で進んでいった。   評価するのは、互いに特許のプロである。簡単に相手の言い分を認める訳がない。   短い時でも1件の特許を3~4時間かけて議論した。……
  • 2014年8月25日

    記憶に残る特許の契約交渉 「バットは振らなきゃ当たらない」の教え:第39号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第39号 ━━   (ちょっと一息)   皆さんは、どうお考えでしょうか。   企業が、特許の有効性を認めライセンス料を支払うのは、どういう時なのか?   その特許を使っている時、あるいは、将来使う可能性が非常に高い時・・・   確かに、教科書にはそう書いてありますよね。……
  • 2014年8月11日

    記憶に残る特許の契約交渉 「バットは振らなきゃ当たらない」の教え:第38号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第38号 ━━   (前号の続き)   今回のA社との契約更改の目標は、支払ロイヤルティを現状の半分以下に抑えることである。   そのためには、他社より先には決して妥結しないこと、A社が他社から十分なロイヤルティを確保するまで交渉を長引かせること、   それによって、額よりも当社と契約……
  • 2014年8月4日

    記憶に残る特許の契約交渉 「バットは振らなきゃ当たらない」の教え:第37号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第37号 ━━   (前号の続き)   A社に立ち向かう作戦・・・ それは、かつてない全面戦争である。   会議室に部下を集め、A社からのプレゼン内容を一通り説明した後、私は次のような指示を出した。   「今日から2ヶ月間で、A社対抗特許を50件揃えたい。必ず50件、いや出来れば60……
  • 2014年7月28日

    記憶に残る特許の契約交渉 「バットは振らなきゃ当たらない」の教え:第36号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第36号 ━━   ♪ 足りない頭なら、知恵を盗みゃいい。帳尻合わすなら、嘘も必要さ・・・   巷では、バブルガム・ブラザーズの『WON'T BE LONG』が流行っていた頃、   私は、アメリカのある大手半導体メーカ(A社)と特許クロスライセンス交渉の真っ只中にいた。   A社とは、……
知財法務コンサルタント
堤 卓一郎

埼玉大学理工学部電気工学科卒
日本電気株式会社に入社。以来34年間知的財産及び企業法務に従事し、 特許技術部長、知財法務事業部長、監査役を歴任。在籍中は、多くの国内及び海外企業との知財関連訴訟やライセンス契約の責任者として事件解決や紛争処理に努め、一方で「取得」主体の知財活動から「活用」に主眼を置いた知財戦略や知財活動、教育の改革に取り組む。また、企業法務の責任者として、コンプライアンスやコーポレートガバナンスの管理・運用に従事。半導体事業及びパソコン等のパーソナル事業に精通。

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