知財と教訓

知財の教訓企業で知財業務34年の経験者が伝えたい知財戦略(知略)のヒント

  • 2014年12月22日

    不良や事故は、何故起きるのか! 日韓大学特許対決に見る共同開発の重要性:第55号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第55号 ━━   こんにちは。 特許の仕事で散々苦しめられた愚禿の手記です。   韓国の中央日報は、「特許数同じのソウル大と東大、ロイヤルティ収入は大きな格差」と報じている。   昨年の特許出願件数(特許公開件数と思われるが・・)は、両大学ともに1055件と同数だが、企業から得たロイヤルティ収入は……
  • 2014年12月15日

    猫のように姿を変えながら落ちるスマホ 夢を忘れていませんか?:第54号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第54号 ━━   数日前のニュース。   落下したiphoneが勝手に空中で向きを変えながら着地するというアップル社の発明が米国で特許になった、と報じられていた。   米国特許(8,903,519号)として成立したこの発明は、今から丁度3年3ヶ月前の2011年9月16日に出願されたものだった。 ……
  • 2014年12月8日

    サムスン(三星)vs.エヌビディア(NVIDIA) 知財活用のハイレベルテクニックとは:第53号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第53号 ━━   (前号の続き)   GPUの供給メーカNVIDIA(売り手)が韓国のサムスン(買い手)を特許侵害で訴え、怒ったサムスンがNVIDIAを訴え返した事件・・・   買い手(ユーザ)が売り手(ベンダー)を訴えるのは、間々あるケースだが、 売り手が買い手を訴えるのは珍しい。 &nbs……
  • 2014年12月1日

    サムスン(三星)vs.エヌビディア(NVIDIA)・・・訴訟合戦の謎!? お客様を訴える真相とは:第52号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第52号 ━━   つい先日のこと。ロイター報道で、   『韓国サムスン電子が米エヌビディアを逆提訴、特許侵害等で』 という記事を見た。   ことの発端は、米国の老舗グラフィックチップメーカのエヌビディア(NVIDIA)が、   携帯電話で有名な米国クアルコム(Qualcomm)社製……
  • 2014年11月25日

    アップルの災難 因果応報の教え:第51号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第51号 ━━   iPhoneやiPadに搭載されているメールアプリやiMessageがポケベル特許を侵害していると見做され、   米アップル社がテキサス州東部連邦地裁から約28億円の損害賠償支払い命令を受けたとのニュースが、ネット上で話題になっている。   提訴したのは、Mobile Telec……
  • 2014年11月17日

    「特許」に教えられたこと(その1) 二つ先を見よ!:第50号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第50号 ━━   先日、37年ぶりに母校を訪れ、就活生向けセミナーを開催する機会を得た。   『これからの企業に求められる人財とは!』と題して、就職の心構えについて話をさせてもらった。   そこで学生の皆さんに伝えたかったことは、「入口を探すな、出口を見よ!」ということである。   ……
  • 2014年11月10日

    今、話題の「発明は、誰のものなのか!?」 「発明」と「特許」の違いとは:第49号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第49号 ━━   会社でなした発明は、発明者(個人)のものか? それとも、会社(法人)のものか?   最近、こんな議論がなされているが、発明は「それを考えた人のもの」と昔から決まっている。   従って、発明は誰のものか? との問いに対しては、   その発明が何処でなされようと、誰の……
  • 2014年10月27日

    ソフトウェア的発想とは!(その3) とある特許侵害事件の思い出 :第48号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第48号 ━━   (前号の続き)   米国の特許弁護士、曰く、   「今の説明を聞いて安心した。 我々も全く同じ所に着目していた。 これで自信を持って反論書を作成出来る。ありがとう。」   一時は、どうなることかと不安だったが、両者の見解が一致した。出席者の表情が、最初と違って皆明る……
  • 2014年10月20日

    ソフトウェア的発想とは!(その2) とある特許侵害事件の思い出 :第47号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第47号 ━━   (前号の続き)   重苦しい雰囲気の中で、会議は始まった。   問題の特許は、色に濃淡を持たせるための特殊な回路に関する米国特許である。   (ここ数年訴訟等で話題の3DS特許よりもかなり前の発明で、3次元画像処理の走りとでも言うべき特許である。)   ……
  • 2014年10月13日

    ソフトウェア的発想とは! とある特許侵害事件の思い出 :第46号

    ━━ 『特許を斬る!』知財経験34年 ・・・ 愚禿の手記 第46号 ━━   朝6時半、私は東京駅新幹線ホームで仲間を待っていた。   営業担当、技術担当、企画担当、併せて総勢12名で京都の大手ゲームメーカを訪問するためである。   事の発端は、5日前に当社の営業担当に入った一本の電話。   内容は、そのメーカが米国に輸出しているゲーム機の販……
知財法務コンサルタント
堤 卓一郎

埼玉大学理工学部電気工学科卒
日本電気株式会社に入社。以来34年間知的財産及び企業法務に従事し、 特許技術部長、知財法務事業部長、監査役を歴任。在籍中は、多くの国内及び海外企業との知財関連訴訟やライセンス契約の責任者として事件解決や紛争処理に努め、一方で「取得」主体の知財活動から「活用」に主眼を置いた知財戦略や知財活動、教育の改革に取り組む。また、企業法務の責任者として、コンプライアンスやコーポレートガバナンスの管理・運用に従事。半導体事業及びパソコン等のパーソナル事業に精通。

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