パテントトロールには多くの会社が悩まされています。彼等は、非メーカなので、こちらからのカウンタ攻撃が効かず、防戦一方を強いられる非常に厄介な相手です。しかも、訴訟を盾に平気で法外な請求をしてくるので、成す術もなく大金を払って泣き寝入りする企業も後を絶ちません。
かく言う私も、現役の頃、1チップマイクロコンピュータのハイヤット特許やバーコード画像処理のレメルソン特許など、数十億円の大金が動く事件を経験しました。
攻撃が効かない相手と、どう戦えばよいのか・・・!
その時、私が学んだことは、次の2つでした。
一つ目は、「相手を見ずに、特許を見よ」ということです。
そして、二つ目は、「訴訟、恐れるべからず」です。
相手がパテントトロールだと意識しすぎると却って委縮してしまい、なるべく波風を立てずに切り抜けることだけを考え、正しい判断が出来なくなってしまいます。しかし、戦う相手は、人ではなく特許なのです。その特許が、自分の事業にとって本当に必要なのかどうかを冷静に判断することこそ大事です。そして、それが本当に必要な特許なら素直にライセンスを貰うべきでしょう。
でも、自分の事業において特許が不要であるとか、ライセンスを貰うまでのことはないと判断した時は、断固として断るべきでしょう。その結果、万が一訴訟になったとしても恐れることなく立ち向かうことです。裁判での決着額が、当初の請求額より下がるのが普通なのですから。
パテントトロールだからと言って、特別視せずに、素直に特許と向き合うことをお勧めします。